大判例

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東京高等裁判所 昭和25年(う)2319号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(判旨)

刑訴法第三七八条第三号にいわゆる審判の請求を受けた事件に判決をせずというのは、たとえば、併合罪として起訴された数個の犯罪事実の一部についてその証明がないにも拘らず、これについて、主文において無罪の言渡をしなかつた場合等をいうのである。これに反して単純一罪と見られるような公訴事実の一部について判決があれば、当然その残りの部分にも判決の効力が及ぶものと解すべきであるから、この場合においては右残りの部分について、判決の主文及び理由の部分で特にこの点に触れる必要はなくただ単純一罪の場合であつても一罪を構成する犯罪の客体が多数存在するようなとき(たとえば多数の衣類を窃取したような場合)、その客体の一部に対する犯罪の証明がないと認定したような場合には便宜上、特に判決の理由中において、その旨を明らかにすることが適当と思われるのである。しかし、かかる場合右のような説明がなかつたからと言つて、これをもつて前記法条所定の違法があるということができないことは勿論であらう。

(説明)

判旨の説くところ妥当であらう。一般に問題は、いわゆる継続犯乃至営業犯といわれるものその他の包括一罪と目される性質の犯罪について生ずる。起訴状の記載が明確であれば勿論何ら疑問を生ずる場合はないであらうけれども、その記載自体包括一罪としているのか、併合罪と見ているのかはつきりしない場合が相当現われている。かかる場合釈明してこの点を明確にしておくことが後日の紛争をさけることにならうか。

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